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TinyBuildの上半期は売上18%増の2000万ドル、うち68%が旧作カタログ──自社・共同保有IPが85%を占める

パブリッシャーのTinyBuildが、2026年6月30日締めの半期決算(未監査)を発表しました。売上高は前年同期比18%増の2000万ドルです。同社は伸びの理由を「カタログの好調と新作の投入」と説明しています。

数字の中身が読みどころです。ゲーム事業の売上のうち85%が、自社保有IPと共同保有IP(first and second-party owned IP)から生まれています。前年より共同保有タイトルの寄与が大きくなりました。さらに、ゲーム売上の68%は上半期より前に発売された旧作、つまりバックカタログからのものです。『Hello Neighbor』『Graveyard Keeper』といった息の長いタイトルが、長期にわたって売上を支え続けていると同社は説明しています。

この旧作の基盤が、新作の立ち上げを支えた形です。上半期には『Hozy』『All Will Fall』『Sand: Raiders of Sophie』が発売されました。IPの拡張も進めており、『I Am Future』のコンソール版、『The King is Watching』のDLC、『Kill It With Fire 2』のSwitch版を投入しています。

一方で、利益指標は下がりました。粗利益は1040万ドルから980万ドルへ5.7%減です。理由は「共同保有の新作が当たったことによるロイヤルティ支払いの増加」とされています。調整後EBITDAも420万ドルから320万ドルへ23.2%減りました。こちらは新作のマーケティング費用の増加が要因です。従業員数は「おおむね横ばい」で、200人近くを維持しています。

今後については、予算500万ドル超の大型タイトルを複数含むパイプラインを抱えており、通期では市場予想を上回る結果を出せると自信を示しています。CEOのAlex Nichiporchik氏は「中期戦略は、IPの保有に重点を置き、複数のメディア形式にまたがる長期的でスケールするフランチャイズを作りながら、世界的な開発・パブリッシャーとしての地位を広げることだ」と述べました。今年6月には、ベンチャーキャピタルのGriffin Gaming Partnersが同社株式の3.24%を取得しています。

個人開発者にとって効いてくるのは、68%という数字です。上場パブリッシャーの売上の3分の2以上が、その期に出した新作ではなく、過去に出した作品から来ている。新作の初速で会社が回っているわけではなく、積み上げた棚が会社を支えている、という構図です。

同時に、粗利が減った理由も見ておく価値があります。他社のIPや共同保有のタイトルが当たるほど、ロイヤルティの支払いが増えて手元に残る比率は下がります。TinyBuildが「IPの保有に重点を置く」と繰り返し言っているのは、この計算があるからです。パブリッシャーが自社IPに軸足を移すということは、外部の作品を預かる枠が相対的に狭くなる、ということでもあります。売り込む側は、その前提で相手を選ぶことになります。

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