King、スウェーデンの2組合と労働協約を締結──9月25日朝から予定されていたストライキは中止に
『キャンディークラッシュ』シリーズを手がけるKingが、スウェーデンの2つの労働組合と労働協約(collective bargaining agreement)を締結しました。これにより、9月25日午前5時から予定されていたストックホルムとマルメ両拠点でのストライキは中止となりました。
署名したのは、組合側が提示していた協約案です。相手はUnionen(ウニオーネン)とEngineers of Sweden(スウェーデン技術者連盟)の2組合で、署名はストライキ開始予定のわずか数時間前に行われました。1年以上にわたって続いていた交渉が、これで決着したことになります。
Engineers of Swedenは、Kingのストックホルムとマルメ両拠点で働く約550人のうち、およそ100人を代表しています。同組合は「新しい労働協約により、Kingの従業員は自分の働く状況に影響を与える機会が広がります。また、組織する権利と、組織再編や条件変更など仕事に影響する変更が行われる際に、十分な余裕をもって情報を受け取る権利を得ます」とコメントしました。
Unionenも今回の締結を歓迎し、「この協約を通じて、同社は従業員のために安定的で予測可能な長期の条件を整える重要な一歩を踏み出しました。同時に、より持続可能なゲーム産業にも貢献します」と述べています。
2組合は、交渉が行き詰まったことを受けて9月15日にストライキ通告を出していました。通告から署名まで、ちょうど10日での決着です。
Kingをめぐっては、この1年あまり雇用面の話題が続いていました。2025年7月には約200人の人員削減が報じられ、初期の推計ではストックホルム96人、バルセロナ30人、ロンドン・ベルリン・リモート勤務で約70人とされていました。バルセロナは後に75人(同拠点の12%)と確認され、抗議行動につながっています。ナラティブとUXライティングのチームが解雇され、彼ら自身が開発に関わったAIツールに置き換えられたとする関係者証言も報じられましたが、Kingは今年3月にAIが職を代替したという主張を否定しています。
一方、今年のXboxの再編ではKingは比較的良い位置にいます。9月22日に発表された268人の削減では、Kingの人員は大きな影響を免れたとみられています。再編に伴い、Kingの担当範囲はソリティアやマインスイーパ、麻雀などの定番タイトルを手がけるMicrosoft Casual Gamesにまで広がりました。Xboxの幹部Matt Booty氏は、今回の削減で7月に発表した再編の約4分の3まで進んだと述べています。7月の削減でもKingはMojangとともに実質的に「昇格」し、両スタジオはXboxのトップであるAsha Sharma氏に直接レポートする体制になっています。
スウェーデンは労働協約の文化が根づいた国ですが、ゲーム企業では締結していない例も多く残っています。北欧に開発拠点を置く企業や、北欧のスタジオと組む作り手にとっては、労務の枠組みが1つ前例を作った出来事といえます。
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