Candy CrushのKing、スウェーデンでスト通告を受ける──労働協約の締結見送りに労組が反発、決裂なら9月25日に業務停止
『Candy Crush』シリーズを手がけるKingに対し、スウェーデンの労働組合UnionenとSveriges Ingenjörerがストライキを通告しました。通告は9月15日付で、現在は調停が進められています。合意に至らなかった場合、Kingの従業員は9月25日に業務を止めることになります。
発端は、経営陣が労働協約(CBA)の締結を見送った判断です。スウェーデンでは労働協約が労使関係の土台として広く定着しており、組合側は「職場の条件により強く関与できる協約」と雇用の安定を求めてきました。Unionenは別の投稿で、「労働協約は賃金だけの話ではない。年金、保険、労働時間、そして職場の条件に影響を与えられることを含んでいる。スウェーデンの労働市場における安心の礎だ」と説明しています。
Naturvetarna、DIK、Akademikerförbundet SSRの3組合も、UnionenとSveriges Ingenjörerへの連帯ストライキを行う意向を表明しました。争議の規模は、当初の2組合から広がりつつあります。
会社側の姿勢は変わっていません。Kingの最高執行責任者Ulrika Höjgård氏は「Kingは公正で競争力のある雇用条件を提供しており、当社の福利厚生と条件は労働協約で定められる水準と同等か、それを上回っていると確信している」とコメント。そのうえで「協約を結ばないと決めたものの、現地の組合代表との建設的な対話は確立しており、重要な従業員の問題について、敬意を持った透明な対話を続けていく」と述べました。
経営判断の理由は、6月に社長のTodd Green氏が従業員へ送ったメールでも説明されています。同氏はこの決定を「軽々しく下したものではない」としたうえで、現行の福利厚生のほうが従業員にとって良いものであり、上積みされた年金、長期の疾病手当、民間医療保険、育児休暇などを挙げました。協約を結んでも同じ福利厚生を提供し続けることは妨げられないものの、提供する制度の構造を変える必要が生じ、それはスウェーデンの従業員にとってマイナスになると考えている、という論理です。さらに、協約の締結はスウェーデンでの業務の進め方、プロセス、方針の大幅な変更を必要とする、とも書いています。同氏は「この決定は、労働組合やスウェーデンの労働モデルへの敬意の欠如を示すものではない」とも付け加えました。
Kingはマイクロソフト傘下のActivision Blizzardに属します。海外のゲーム産業では、レイオフの連続を背景に労働組合の結成と交渉が広がっており、今回の争議もその流れの中にあります。
個人開発者にとっての意味は、人を雇う段階で国ごとの労使慣行が経営判断に直結するという点にあります。スウェーデンのように労働協約が標準の国では、協約を結ばない選択そのものが争議の火種になり得ます。海外に拠点を置く、あるいは海外の人材を直接雇用する計画があるなら、報酬の水準だけでなく、その国で何が「当たり前」とされているかを先に調べておく必要があります。
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