『Valor Mortis』が定価39.99ドルに──秋の新作ラッシュを前に「フルプライスをやめる」判断
デベロッパーのOne More Levelが開発するソウルライクアクションRPG『Valor Mortis』について、通常版の定価を39.99ドル(約6200円)とすることが発表されました。DLCやコスチュームパックを同梱するデラックスエディションは59.99ドル(約9400円)の予定です。当初想定されていたフルプライスでの販売をやめ、発売直前に価格を引き下げる判断となります。
経緯を説明したのは、本作のパブリッシングを担当するLyrical Gamesのトップ、Blake Rochkind氏です。同氏はThe Game Businessの取材に対し、今秋のリリース状況を「クレイジー」と表現しました。『GTA6』や『ゼルダの伝説 時のオカリナ』のリメイク、『SILENT HILL: Townfall』『CONTROL Resonant』といった大型タイトルが並ぶなかで、新規IPである本作を、全力を尽くさないまま「手軽に手に取れるゲーム」として宣伝したくはなかったといいます。
判断を後押ししたのは、他の開発者から聞いた話でした。30ドルから40ドル程度の価格帯でリリースして成功を収めた開発者が、「他のゲームと一緒に買えるゲーム」にしたことを後悔したことはないと語っていたとのことです。
近年、いわゆるフルプライスのタイトルは米ドルで60ドル台が中心でした。2020年にTake-Two Interactiveが『NBA 2K21』を70ドルで販売して以降は、70ドル級の作品も珍しくなくなっています。そのなかで40ドルという価格は、競合と並べて比較される1本ではなく、競合と一緒に買われる1本を狙う位置取りだといえます。
一方でリスクもあります。発売直前の値下げ発表は、ゲームの内容やボリュームが削られたのではないかという懸念をユーザーのあいだに生みかねません。Rochkind氏自身、「ゲームについて誤ったメッセージを送りはしないか」と大いに悩んだと明かしています。そのうえで同氏は、この決定は「自信の表れ」だと説明しました。
個人開発者にとって、この事例が示すのは、価格が金額であると同時にシグナルでもあるという点です。競合が密集する時期に「唯一の1本」を狙うのか、「ついで買いの1本」を狙うのかで、同じ数字の意味は変わります。なお、Steamは単純な為替レートではない独自の換算レートを用いており、日本での価格は5000円強になる見込みです。本作はPC(Steam/Microsoft Store)、PS5、Xbox Series X|S向けに10月発売予定で、この判断が数字に表れるかは発売後の動向を待つことになります。
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