Google Playから削除された『ドキドキ文芸部!』、Epic Games StoreのAndroid独占として復帰へ──配信先の代替が現実の選択肢に
Epic Gamesが、Serenity Forgeの『ドキドキ文芸部!』(Doki Doki Literature Club)をAndroidに復帰させると、mobilegamer.bizが報じました。カルト的な人気を持つこのビジュアルノベルは、Epic Games StoreのAndroid独占タイトルとして発表される見通しだといいます。
経緯はこうです。2026年4月、Googleがセンシティブなテーマの描写を理由に、同作をGoogle Playストアから削除しました。『ドキドキ文芸部!』は一見すると恋愛もののビジュアルノベルですが、物語が進むにつれてキャラクターのメンタルヘルスや自傷の描写を含むホラー作品へと姿を変えます。他のストアでは心理ホラーとして18歳以上のレーティングが付され、「お子様や、動揺しやすい方には適していません」という警告が添えられてきました。削除当時、開発元のSerenity Forgeは、Googleと解決策を探っていると表明するとともに「Android端末における代替の配信手段についても検討している」と述べていました。
報道によれば、Epicは削除の直後からSerenity Forgeと、Epic Games Store経由でAndroidに独占的に復帰させる件で対話を続けてきたとのことです。Epic Games Storeにはすでに同作のプレースホルダーとなる製品ページが公開されていますが、執筆時点でAndroidのプレイヤーができるのはウィッシュリストへの追加のみで、ダウンロードはまだできません。レーティングは18歳以上のみ、説明文にも他ストアと同様の警告が入っています。なお、Epicと開発元Serenity Forgeの両社は取材に対して公式な確認を返していません。
重要なのは、この作品がGoogle Play以外では一度も販売を止めていないという事実です。AppleのApp Store、任天堂のeショップ、PlayStation Store、Steamでは削除後も販売が継続され、Google Playだけが現在も未配信という状態が続いています。つまり単一ストアの判断が事業全体を止めるかどうかは、配信先の組み方次第だということになります。
個人開発者にとっての教訓は二つあります。一つは、センシティブな題材を扱う作品ほど、ストアごとのポリシー判断がビジネスリスクとして現実化するという点です。同じレーティングと同じ警告文を掲げていても、ストアによって結論が分かれます。もう一つは、その受け皿が空論ではなくなったという点です。Androidは直接インストールによる配信を認めているため、Epic Games Storeのような代替ストアが実際に受け入れ先として機能します。今回のように、最大手ストアから外れた作品が別のストアの独占タイトルとして戻ってくる事例が出てきたことで、「Google Playから落ちたらモバイルでは終わり」という前提は崩れつつあります。新規タイトルの収支計画を立てる段階で、複数ストアへの同時展開と、そのための運用コストを最初から見込んでおくことが、以前より合理的な選択になってきています。
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