9月18日(金)の朝刊まとめ
- 1EUが「KIDS Act」草案を公表、オンラインゲームも規制対象に──ログインボーナスや連続プレイ特典が「過度な利用の誘導」として制限対象へ
- 2家族向け体感ゲーム機Nex Playground、シリーズEで1.5億ドル調達──販売100万台突破、2027年に日本・韓国へ参入
- 3東京ゲームショウ2026が開幕、出展1138社は過去最多──初日来場者は5万3630人で前年を1278人上回る
- 4Google Playから削除された『ドキドキ文芸部!』、Epic Games StoreのAndroid独占として復帰へ──配信先の代替が現実の選択肢に
- 5きょうのSteam同時接続トップ5(2026年9月18日)
海外EUが「KIDS Act」草案を公表、オンラインゲームも規制対象に──ログインボーナスや連続プレイ特典が「過度な利用の誘導」として制限対象へ
欧州委員会が、子どもの保護を目的とした新法「EU KIDS Act」の草案を公表しました。もっとも注目を集めている条項──13歳未満のアクセス禁止と、13歳から15歳への制限──が適用されるのはSNSと動画共有プラットフォームに限られますが、それ以外の義務はオンラインゲームにも及びます。承認された場合、EU域内で販売されるすべてのオンラインゲームが対象となり、その定義は非常に広く、Robloxのようなプラットフォームからパッケージ版タイトルのマルチプレイヤーモードまでを含みうるとされています。
ゲームに対する中心的な義務は、未成年による過度な利用を助長しないことです。ドイツの法律事務所ADVANT Beitenのアンドレアス・ローバー弁護士の分析によれば、これは例えばログインボーナスや、一定期間プレイしないと特典を失う設計が、多くの場合禁止されうることを意味します。準拠する形で実装する余地は残るかもしれないものの、こうした機能が好意的に見られていないことは明確だといいます。同種の基準はPEGIやUSKの年齢レーティングでも近年重視されてきましたが、KIDS Actの提案はより粗く、たとえば持続型のオンライン世界にとっては難しい問いを突きつけるとしています。
草案はさらに、未成年と他の利用者との接触を制限することも求めています。この義務を満たすため、オンラインゲームの提供者は原則として保護者による管理機能と年齢確認の仕組みを実装する必要があります。ただしSNSに課される要件よりは緩やかで、子どもにとって問題となる機能を含まないタイトルでは不要となる可能性も残されています。加えて、年齢レーティングとオンラインゲームに関する行動規範の規定も置かれ、前文はPEGIに言及しつつ、既存の枠組みを超えたより拘束力のある内容になっています。
業界にとっておなじみの論点も再登場しました。「オンラインゲームをプレイする未成年は、仮想通貨や変動報酬システムを通じて行われる取引の実際の金銭的価値について、透明性の恩恵を受けるべきである」という一文です。後者はいわゆるルートボックス、前者は決済の透明性をめぐる議論を指しています。ただし草案はこの点で矛盾をはらんでいます。ゲームについてはこの記述が前文(立法趣旨)にのみ現れ、実際の条文では経済取引に関する規定がSNSと動画共有サービスに明示的に限定されているためです。これが起草上の見落としなのか、ゲームの収益化透明性を行動規範の仕組みだけで扱うという意図的な選択なのかは、現時点では判断がつきません。
この草案に対し、業界団体Video Games Europe(VGE)はただちに声明を出しました。VGEはPEGIとUSKをヨーロッパで販売されるゲームの事実上の標準とするよう求めたうえで、「子どもの保護される権利は尊重されなければならないが、同時に、遊ぶ権利、文化や余暇へのアクセスの権利も尊重されなければならない」と述べています。続けて「ヨーロッパのすべてのゲームとすべてのプレイヤーに適用される一律の年齢確認措置には警鐘を鳴らす」とし、子どものゲームへのアクセス管理は保護者の責任であるべきだと主張しました。VGEはパブリックコンサルテーションの実施を求め、立法過程で建設的に関与していく姿勢を示しています。
個人開発者にとっての含意は、対象が大手の基本無料タイトルに限られない点にあります。EU域内で販売するオンライン要素のあるゲームであれば、規模を問わず義務がかかりうる設計です。リテンション施策として当たり前に使われてきたデイリーログイン報酬や連続プレイのストリーク、フレンド機能やボイスチャットといった要素は、いずれも設計段階から見直しの対象になります。欧州委員会の提案はEU加盟国で直接適用される規則(Regulation)として設計されていますが、テキストはまだ最終版ではなく、欧州議会と加盟国の承認を経る必要があります。審議の過程で条文がどこまで具体化されるか、とくに前文と条文のあいだに残ったゲーム収益化の扱いをめぐる食い違いがどう解消されるかが、次の焦点になります。
海外家族向け体感ゲーム機Nex Playground、シリーズEで1.5億ドル調達──販売100万台突破、2027年に日本・韓国へ参入
家族向けの体感型ゲーム機「Nex Playground」を手がけるNex Teamが、1億5000万ドルの資金調達を実施しました。同機の販売台数は100万台を突破しています。サブスクリプションの登録者数は過去18か月で7倍に増え、100万人の有料会員に近づいており、同社は年内にこの節目を超える見通しを示しています。
シリーズEのラウンドはBaillie GiffordとBAI Capitalが共同主導し、NBA Investments、Logitech、Medici Capital Partners、Raine Groupが追加で参加しました。あわせてJPMorganとの新たなクレジットファシリティも確保しています。調達資金は国際展開に充てられ、年内のドイツ参入に続き、2027年には日本と韓国への参入が予定されています。在庫、サプライチェーン、市場投入の各施策にも投じられます。米国、英国、アイルランドでの成長も引き続き優先されます。
経営体制も強化されました。NianticとZyngaを経たJeff Shouger氏がCFOに就任し、取締役会にはElectronic Arts創業者として知られるBing Gordon氏とともに加わります。CEO兼共同創業者のDavid Lee氏は「家族には、体を動かし、成長し、つながり、楽しむという普遍的なニーズがある。Nex Playgroundへの反響は、アクティブな遊びがそのニーズに意味のある規模で応えられることを示してくれた」とコメントしています。
ドイツでの価格は319ユーロです。同社のThomas Kang社長は英国での立ち上げについて「予測を上回っており、良い兆候だ」と述べ、Smyths、Argos、TikTok、Amazonといった複数チャネルで展開するなかで、とくにTikTokが英国では発見と購入転換の強力な経路になっていると説明しました。英国投入から2か月で1000人以上のクリエイターがTikTok上で製品の使い方を紹介する動画を投稿しており、その大半は同社のマーケティング施策とは無関係な自発的な投稿だといいます。
部材とメモリの不足を受け、米国での本体価格は今年249ドルから299ドルへ引き上げられました。Lee氏はこの価格が「コスト増をすべて吸収できてはいない」と認めつつ、それ以上の値上げは行わない方針を示しています。定額サービス「Play Pass」の価格も年間89ドル、四半期49ドルのまま据え置かれています。同社によれば、サブスクリプションのアタッチレートは上昇を続けており、一部のコホートではすでに90%を超えているとのことです。
個人開発者と中小スタジオにとって注目すべきは、カタログの作り方です。Nex Playgroundは60本強の厳選されたラインナップで運用されており、Kang氏は「数千本のゲームをプラットフォームに載せることは目標ではない。高品質なゲームを有限の本数だけ揃え、発見を簡単で家族向けに保ちたい」と述べています。IPパートナーは選定制ですが、Lee氏は「質の高いスタジオと組みたいし、インディースタジオも一部入ってきている」としています。
さらに興味深いのは、旧世代の体感ゲーム資産の再活用です。Kang氏は「大手パブリッシャーはすべて、自社の旧Kinectカタログ、Wiiカタログを見直せないかと打診してきている」と語りました。実例として、2013年にSmoking Gun Interactive(現Keywords傘下)がKinect向けに出した『Freefall Racers』がNex Playground向けに移植され、最初の1か月で15万世帯にプレイされています。Lee氏は初年度で50万世帯に届くと予測しています。SegaとBandai Namcoとの提携による『Sonic Forces: Rival Rush』『Pac-Man』も投入済みです。眠っていたモーション操作向けの資産に、現役の出口ができたという構図です。
国内東京ゲームショウ2026が開幕、出展1138社は過去最多──初日来場者は5万3630人で前年を1278人上回る
「東京ゲームショウ2026」(TGS2026)が2026年9月17日に幕張メッセで開幕しました。主催のコンピュータエンターテインメント協会(CESA)は、初日の来場者数が5万3630人だったと発表しています。前年の初日実績5万2352人を1278人上回る数字です。参考までに2024年の初日は4万2031人でしたので、2年間で1万人以上の上積みとなった計算になります。
今年の出展社数は1138社で、過去最多を記録しました。53の国と地域から集まっています。会期は9月17日から21日までの5日間で、これは同展として過去最長です。初日と2日目はビジネスデー、3日目以降が一般デーという構成になっており、5日間の合計で30万人の来場を見込んでいます。
初日がビジネスデーである点は、この数字を読むうえで押さえておきたいところです。5万3630人の多くは商談や取材のために訪れた業界関係者であり、一般来場者が中心となる週末の数字とは性質が異なります。会期が1日延びたことで、商談枠そのものも従来より広がった形になります。B2Bマッチングの「MeetToMatch - The Tokyo Edition 2026」も今年のTGSシーズンにあわせて開催され、日本のゲーム企業は参加無料となっています。
一方で、規模の拡大にともなう課題も出てきています。gamebizは同日、幕張メッセの会場外で開かれる非公式イベントが増えていることを取り上げました。大音量の音楽や映像が商談や説明を妨げるという指摘や、出展コストの問題が挙げられています。展示会という場が持つ機能が、会場の内と外に分散しはじめているという見方もできます。
個人開発者にとって、TGSは「出展するか否か」だけの場ではありません。過去最多の出展社数と最長の会期は、パブリッシング交渉やプラットフォーマーとの面談に使える時間が増えたことを意味します。今年はWorldMapがインディークリエイターを対象としたパブリッシングタイトルの募集を開始し、TGS2026にも出展しています。会場に行けない場合でも、どの企業がどんな枠で募集をかけているかを会期中に追っておく価値はあります。展示は終わっても、募集の窓口は会期後も開いていることが多いためです。
出典: gamebiz
開発者の目Google Playから削除された『ドキドキ文芸部!』、Epic Games StoreのAndroid独占として復帰へ──配信先の代替が現実の選択肢に
Epic Gamesが、Serenity Forgeの『ドキドキ文芸部!』(Doki Doki Literature Club)をAndroidに復帰させると、mobilegamer.bizが報じました。カルト的な人気を持つこのビジュアルノベルは、Epic Games StoreのAndroid独占タイトルとして発表される見通しだといいます。
経緯はこうです。2026年4月、Googleがセンシティブなテーマの描写を理由に、同作をGoogle Playストアから削除しました。『ドキドキ文芸部!』は一見すると恋愛もののビジュアルノベルですが、物語が進むにつれてキャラクターのメンタルヘルスや自傷の描写を含むホラー作品へと姿を変えます。他のストアでは心理ホラーとして18歳以上のレーティングが付され、「お子様や、動揺しやすい方には適していません」という警告が添えられてきました。削除当時、開発元のSerenity Forgeは、Googleと解決策を探っていると表明するとともに「Android端末における代替の配信手段についても検討している」と述べていました。
報道によれば、Epicは削除の直後からSerenity Forgeと、Epic Games Store経由でAndroidに独占的に復帰させる件で対話を続けてきたとのことです。Epic Games Storeにはすでに同作のプレースホルダーとなる製品ページが公開されていますが、執筆時点でAndroidのプレイヤーができるのはウィッシュリストへの追加のみで、ダウンロードはまだできません。レーティングは18歳以上のみ、説明文にも他ストアと同様の警告が入っています。なお、Epicと開発元Serenity Forgeの両社は取材に対して公式な確認を返していません。
重要なのは、この作品がGoogle Play以外では一度も販売を止めていないという事実です。AppleのApp Store、任天堂のeショップ、PlayStation Store、Steamでは削除後も販売が継続され、Google Playだけが現在も未配信という状態が続いています。つまり単一ストアの判断が事業全体を止めるかどうかは、配信先の組み方次第だということになります。
個人開発者にとっての教訓は二つあります。一つは、センシティブな題材を扱う作品ほど、ストアごとのポリシー判断がビジネスリスクとして現実化するという点です。同じレーティングと同じ警告文を掲げていても、ストアによって結論が分かれます。もう一つは、その受け皿が空論ではなくなったという点です。Androidは直接インストールによる配信を認めているため、Epic Games Storeのような代替ストアが実際に受け入れ先として機能します。今回のように、最大手ストアから外れた作品が別のストアの独占タイトルとして戻ってくる事例が出てきたことで、「Google Playから落ちたらモバイルでは終わり」という前提は崩れつつあります。新規タイトルの収支計画を立てる段階で、複数ストアへの同時展開と、そのための運用コストを最初から見込んでおくことが、以前より合理的な選択になってきています。
出典: mobilegamer.biz
きょうのSteamきょうのSteam同時接続トップ5(2026年9月18日)
Steamの同時接続プレイヤー数トップ5は以下のとおりです。1位はCounter-Strike 2で約98万8000人、2位はDota 2で約72万6000人、3位はWARDOGSで約31万8000人、4位はValheimで約21万3000人、5位はPUBG: BATTLEGROUNDSで約20万人でした。上位5本の合計はおよそ245万人です。
顔ぶれは前日から変わっていません。2位のDota 2が前日の約68万人から約73万人へと伸ばした一方、3位のWARDOGSは約33万人から約32万人へ、4位のValheimも約22万人から約21万人へと小幅に落としています。1位のCounter-Strike 2はほぼ横ばいで、本日時点のピークは約126万人を記録しました。
この構図は、本日の「開発者の目」で取り上げた話題と重なります。上位5本のうち4本は、リリースから数年以上を経たタイトルです。新作が数字で上位に食い込むのはWARDOGSのような例外に限られ、それ以外の枠は長く遊ばれ続ける定番が占めています。ストアの判断やプラットフォームの政策が変わっても、こうした定番タイトルを複数の配信先に置いて維持できているかどうかが、事業の安定性を左右します。配信先の分散は、リスク管理であると同時に、長期の収益を守る設計でもあります。
出典: Steam公式API
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