『Moss』開発元Polyarcが閉鎖──約12年でVR専業スタジオが活動を終了
VRアクションアドベンチャー『Moss』シリーズで知られるシアトルのスタジオPolyarcが、設立から約12年で活動を終了しました。閉鎖はLinkedInへの短い投稿で明らかにされています。
投稿では「今日はPolyarcにとって一つの時代の終わりです。ビデオゲームを作るという喜びに満ちたジェットコースターに乗って約12年、私たちの時間は終わりを迎えました」と綴られ、「共に働けたことは名誉であり、プレイしてくれた人々に驚きと喜びを届けられたことは特権でした」と結ばれています。
何人が職を失ったのかは公表されていません。ただしスタジオが共有した逆求人(リバースリクルーティング)の追跡情報によれば、30人近くが影響を受けた形です。この人数には、2026年3月の縮小で離職した人員が含まれている可能性もあります。Polyarcは資金調達の難航を受けて、同年3月に大幅な人員縮小に踏み切っていました。
『Moss』はVR専用タイトルとして始まり、後に通常のプラットフォーム向けにも作り直されています。VR市場で最も評価されたシリーズの一つを持ち、非VRへの展開も進めたスタジオが、それでも資金繰りを続けられなかったという結果になりました。
タイミングも示唆的です。ValveのVRシステム「Steam Frame」が発売され、VR市場に新しいハードウェアが投入された同じ週に、VR専業スタジオが一社姿を消しました。個人開発者にとっての教訓は、ハードウェアの新しさと市場の厚みは別物だということです。新しいプラットフォームには競合が少ないという利点がありますが、それは同時に、その市場だけでスタジオを支えられる規模に達していない可能性も意味します。VR向けに作るのであれば、非VRへの展開余地を最初から設計に織り込んでおくか、VR以外の収益源と併走させるか。Polyarcは前者を試みたうえで届かなかった事例として記録されることになります。
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