9月24日(木)の朝刊まとめ
- 1EUが「KIDS法」草案を公開──未成年へのログインボーナスや連続記録は原則不可、制裁金は世界売上の最大6%
- 2日本のPC・PlayStation販売本数が上半期13%増の2100万本──首位はカプコン、『バイオハザード リクイエム』が牽引
- 3体感ゲーム機Nex Playgroundが1億5000万ドルを調達──本体100万台超、2027年に日本・韓国へ
- 4デモ版だけでSteam同時接続3万人──台湾5人未満のチームが作ったデスクトップアプリ『キャラ屋』
- 5きょうのSteam同時接続トップ5(2026年9月24日)
海外EUが「KIDS法」草案を公開──未成年へのログインボーナスや連続記録は原則不可、制裁金は世界売上の最大6%
欧州委員会は9月17日、子どものオンライン環境を規制する新しい法案「EU KIDS法」の草案を公開しました。KIDSは「Keeping Internet Digital Spaces Accountable and Trustworthy」の頭文字です。13歳未満の利用禁止や15歳未満への制限といった、最も議論を呼んでいる規定はSNSと動画共有プラットフォーム向けのものですが、草案はオンラインゲーム、AIコンパニオン、チャットボット、アプリストア、OSにも義務を課しています。GamesIndustry.bizに寄稿した法律事務所ADVANT BeitenのAndreas Lober氏が、ゲームに関わる部分を整理しています。
成立した場合、規則はEU域内で販売されるすべてのオンラインゲームに適用されます。「オンライン」の定義はきわめて広く、Robloxのようなサービスから、ディスク販売のゲームのマルチプレイモードまで含みうるとされています。明確に対象外といえるのは、関連するオンラインモードを持たないディスク販売のゲームだけです。EU域内で積極的に販売していなくても欧州のプレイヤーが一定数いる場合、たとえば米国ストアフロントで売られているゲームの扱いは、境界線上のケースになります。一方、主に教育目的で設計され教育機関が運営するサービスや、一部の非営利サービスは適用除外です。
ゲーム側の中心的な義務は「未成年の過度な利用を促さないこと」です。ここでの未成年は18歳未満を指します。Lober氏は、ログインボーナスや、一定期間遊ばないと特典を失う仕組みは、未成年に対してはしばしば禁止されることになると指摘しています。準拠できる実装の余地は残るかもしれないものの、こうした機能が好ましくないものと見なされている点は明確だとしています。
難しいのは、このルールが分かりやすいロイヤルティ機構の先まで届くことです。規定が狙っているのは、決まった間隔で戻ってこないプレイヤーに不利益を与える設計全般です。永続する世界を持つゲームでは、ボーナス制度がなくても「世界が進み続ける」という事実そのものが、その種の不利益として働きます。設計者にとって問いは「毎日のプレイに報酬を出しているか」から「ゲーム全体として、未成年を決まった周期で引き戻していないか」へ移ります。線引きははるかに難しくなります。
オンライン上の保護についても規定があります。未成年と他の利用者の接触は制限されなければならず、事業者は保護者による管理機能と年齢保証の仕組みを実装する必要があります。ただし要件はSNSより軽く、SNSと動画共有プラットフォームがEU専用の年齢確認ソリューションを使わなければならないのに対し、ゲームは年齢推定その他の均衡のとれた方法を使えます。正確でプライバシーを守り差別的でないことが条件です。自己申告だけでは足りません。アプリストア経由で配信されている場合は、ストア側がすでに年齢を判定しており、同意のうえでその情報をゲームに引き渡せるため、作業の一部は上流で済みます。
年齢レーティングと行動規範についての規定もあります。多くの国で任意であるPEGIの枠組みを土台に、法的拘束力のあるものへ変えていく狙いに見えると、Lober氏は読んでいます。ここで問題になるのが、国内法で独自の青少年保護規則を持つ加盟国の扱いです。ドイツには州と連邦の両方に規則があり、公的な規制当局に加え、国内法に裏打ちされた業界の自主規制機関USKがあります。草案は、過度な利用やオープンな通信といった交流面のリスクについてUSKが規制する余地をあまり残していないように見え、EUと加盟国のどちらに権限があるのかという議論につながりうる論点です。
仮想通貨とルートボックスの扱いは、草案の中でねじれています。前文の第40項には「オンラインゲームで遊ぶ未成年は、仮想通貨を通じた取引の実際の金銭的価値についての透明性と、変動報酬システムへの露出からの保護を受けるべきである」と書かれています。しかしゲームについては、この内容が前文にしか現れず、実際に効力を持つ本文には入っていません。本文の経済的取引に関する規則が適用されるのはSNS、動画共有プラットフォーム、AIコンパニオン、汎用の会話型チャットボットで、オンラインゲームは含まれていないのです。単なる起草上の漏れなのか、ゲームの収益化の透明性は行動規範の仕組みだけで扱うという意図的な選択なのかは判然としません。この論点は今年末までに初稿が出るとされる「EUデジタル公正法」でも扱われる見込みで、立法過程で議論が続く見通しです。
AIについては、「汎用の会話型チャットボット」と、ゲーム業界にとって重要な「AIコンパニオン」が新たに規制対象になりました。こうしたAIは、感情的な依存を生みやすい対人関係を模した設計や振る舞いを避けなければならず、安全上の理由を除いて、未成年との過去のやり取りから得た情報や分析を既定で使うことも禁じられます。ただし、ゲームで使われるAIのすべてがAIコンパニオンに当たるわけではありません。判定の鍵は、そのシステムが利用者との社会的・感情的・対人的な関係を模したり促したりするかどうかです。LLMで動くNPCが、現実の利用者ではなく作中のプレイヤーキャラクターに向けて応答する場合は該当しないという議論が成り立ちます。一方で定義は関係を「促す」システムも含むため、見た目より広く網がかかる可能性は残ります。
このほか、事業者は未成年が自分の接する内容を管理しフィードバックできるコンテンツ制御ツールを提供し、その効果を即座かつ継続的に反映させる必要があります。サービス内での交流、コミュニケーション、創作の方法を未成年が自分で調整できる交流制御も求められます。これらの機能と情報は、未成年がすぐ理解できる形で、容易にアクセスできる場所に置かれなければなりません。執行は既存のデジタルサービス法の体制が担い、AIコンパニオンとチャットボットについてはAI法の体制が適用されます。違反した事業者には全世界の年間売上高の最大6%の制裁金が科されうるほか、オンラインゲームについては加盟国ごとに監督当局を指定することになります。
業界団体Video Games Europeは、発表と同じ日に声明を出しました。子どもの保護される権利は尊重されるべきであり、同時に遊ぶ権利、文化や余暇に触れる権利も尊重されるべきだとしたうえで、「欧州のすべてのゲームとすべてのプレイヤーに一律に適用される広範な年齢保証措置には慎重であるべきだ」と述べています。欧州で販売されるゲームについてはPEGIとUSKを事実上の標準とすることを求め、子どものアクセス管理は保護者の責任とすべきだという立場も示しました。パブリックコンサルテーションの実施を求め、立法過程で建設的に関わるとしています。
草案はまだ最終版ではなく、欧州議会と加盟国の承認が必要です。EUで初稿から最終的な法令の採択まではふつう1〜2年かかりますが、今回は欧州委員会が最初から高レベルの素案ではなく完成度の高い条文を提示しており、早期の採択を狙っているとLober氏は見ています。個人開発者にとっての論点は、オンライン要素を持つ限り規模に関係なく対象になりうること、そして影響がプラットフォーム対応ではなくゲーム設計そのものに及ぶことです。デイリーログインや連続記録を前提にしたリテンション設計を、未成年に対してどう扱うか。年齢保証を入れて一部機能を制限するのか、全員が全機能を使える形に設計し直すのか。Lober氏はこの二択を、いま評価すべき問いとして挙げています。
国内日本のPC・PlayStation販売本数が上半期13%増の2100万本──首位はカプコン、『バイオハザード リクイエム』が牽引
日本のPCとPlayStationの販売本数が、2026年上半期に前年同期比13%増の2100万本に達しました。分析会社Sensor Towerの最新の日本ゲーム市場レポートによる数字です。同社の日本データが対象にしているのはSteamとPlayStationのみで、Nintendo Switchやアプリストアは含まれていません。
販売本数で首位のパブリッシャーはカプコンでした。牽引したのは『バイオハザード リクイエム』です。同作はSteamでシリーズ最高の初月実績を記録し、推計260万本を売り上げました。7月には累計800万本を超え、『Pragmata』とともにカプコンの直近の決算を押し上げています。同社は『バイオハザード4』『バイオハザード2』といった既存作の継続的な販売の伸びも報告しました。
Sensor Towerは、この結果について「プレミアム価格の日本製ゲームにとってSteamの重要性が高まっていることを裏づける。カプコンは大きなグローバル市場へ即座にアクセスでき、シリーズを従来の据置機中心の強みの外へ広げられた」と分析しています。
発売初期のエンゲージメントの強さも指摘されました。Steamのプレイヤーの平均プレイ時間は25時間で、シリーズの比較可能なタイトルの中では最も長い数字です。加えてSensor Towerは「発売の264日前に開設されたSteamページが、認知とウィッシュリストのための長い助走期間になった。米国、中国、日本、欧州など幅広い市場からの参加が、期待を持続的なプレイへ変えるのを助けた」と述べています。
同じレポートのモバイル側は、アプリ内課金収益が前年比5.1%減の1兆5600億円(100億ドル)、ダウンロードも5.4%減の5億8500万件でした。それでも日本はアジア2位のモバイルゲーム市場を維持しており、課金収益は韓国の2倍、台湾の約4倍です。課金収益の内訳は国内発のタイトルが65%、海外発が35%でした。
日本のパブリッシャーがモバイルゲームのダウンロードに占める割合は、2026年第2四半期で28%でした。Sensor Towerは、このシェアは直近では落ち着いているものの、海外パブリッシャーが日本のゲーマーへの到達を広げているため1年前の32%は下回ったままだと指摘しています。ゲームの広告出稿は上半期で7億4970万ドル、208億インプレッションにのぼり、日本の広告カテゴリーでは3位でした。
1月から7月のモバイル課金収益トップは『eFootball』で、以下『モンスターストライク』『Last War: Survival』『Whiteout Survival』と続きます。Sensor Towerは『eFootball』について、コナミがワールドカップへの関心の高まりに合わせてサッカー関連の施策を4月から7月まで継続したことを挙げました。同じ期間のアクションRPGでは『ドラゴンクエスト スマッシュ/グロウ』が課金収益で首位でした。ジャンル別では、RPGがモバイル課金収益の32.8%、ストラテジーが23.8%を占め、ダウンロードではパズルが37.8%で最大のシェアでした。
個人開発者にとって読みどころは、Steamページの開設時期の話です。264日前という数字は、大手の大型タイトルであっても、認知とウィッシュリストを積むための助走に9か月近くを使っているということを意味します。逆に言えば、発売の数週間前にページを立てて「これから宣伝する」という進め方は、同じ土俵に乗っていません。日本市場の据置系が伸びている局面でも、伸びているのは準備期間を長く取った側だという読み方ができます。
海外体感ゲーム機Nex Playgroundが1億5000万ドルを調達──本体100万台超、2027年に日本・韓国へ
体を動かして遊ぶ家庭向けゲーム機「Nex Playground」を手がけるNexが、1億5000万ドルの資金を確保しました。本体の販売台数が100万台を超えたのに合わせた発表です。
シリーズEのラウンドはBaillie GiffordとBAI Capitalが共同で主導し、NBA Investments、Logitech、Medici Capital Partners、Raine Groupも参加しました。Nex Teamはあわせて、JPMorganとの新しい与信枠も確保しています。
定期購読の会員数は、この18か月で7倍に増えました。Nexは年内に100万人の現役会員に届く見込みだとしています。コントローラーを使わず、カメラで体の動きを読み取って遊ぶ方式で、家族向けに設計された据置型の機械です。
資金は国際展開に充てられます。年内のドイツ参入に続き、2027年には日本と韓国へ入る計画です。在庫、サプライチェーン、市場投入の施策にも使われます。同時に、米国、英国、アイルランドは引き続き成長の重点市場に置かれます。英国での立ち上げについて、社長のThomas Kang氏は先にGamesIndustry.bizの取材に対し「予測を上回っており、良い兆しだ」と述べていました。
経営体制も動きました。NianticとZyngaで財務を担当したJeff Shouger氏が最高財務責任者に就任し、取締役会にも加わります。取締役会にはEA創業者のBing Gordon氏がすでに名を連ねています。
CEOで共同創業者のDavid Lee氏は「家族には、動き、育ち、つながり、楽しむという時代を超えたニーズがある。Nex Playgroundへの反応は、アクティブな遊びがそうしたニーズに意味のある規模で応えられることを示した」とコメントしました。あわせて「Nexを100年続く会社にするつもりだ」とも述べています。
出資側のBaillie GiffordのAlexander Nicolier氏は「この機械は家族が立ち上がって動き出すのを驚くほど簡単にする。サブスクリプションで提供されるゲームのライブラリが広がることで、Nexは家族との長い関係を築く機会を持つ。この組み合わせは、長期の投資家として特に興味深い。ゲーム業界では珍しいことだ」と述べました。
Kang氏は別の取材で、主要なパブリッシャーがこぞって、かつてのKinectやWii向けカタログの見直しについて接触してきたと話しています。体を動かす遊びの資産を持つ大手が、その活用先としてこの機械を見ているという構図です。
個人開発者にとっての示唆は二つあります。ひとつは、据置機のハードウェア市場が厳しいと言われる局面でも、ニッチを絞った家族向けの一台に1億5000万ドル規模の長期資金が付くということ。もうひとつは、その本体が約100万台・会員約100万人という、ソフトの供給側から見て現実的な規模まで育っていることです。日本参入は2027年の予定で、対応ソフトの作り手を探す段階が先に来ます。体を使う遊びの設計に覚えのある作り手には、早めに見ておく価値のある市場です。
開発者の目デモ版だけでSteam同時接続3万人──台湾5人未満のチームが作ったデスクトップアプリ『キャラ屋』
デベロッパーのYinengjieが9月16日に公開したデスクトップペットアプリ『キャラ屋』のデモ版が、公開から約1週間でSteamの同時接続プレイヤー数ピーク約3万人を記録しました。AUTOMATONが9月23日に報じています。正式版のリリースは2026年内の予定で、現時点で公開されているのはデモ版だけです。
『キャラ屋』は、自分で作ったキャラクターをデスクトップ上に常駐させるアプリです。同種のアプリとしては『Bongo Cat』などが知られていますが、本作の特徴はカスタマイズの自由度にあります。髪型、目、服、装飾といった部品が多数用意され、髪型や目は色も細かく設定できます。自分で考えたキャラクターを作ることも、好きなキャラクターを再現することもできます。作成したキャラクターは複数同時にデスクトップへ置くことも可能です。
常駐中のモーションも複数用意されています。立っているだけの状態でもキャラクターはちょこちょこと歩き、複数いる場合は互いに交流しているような様子を見せます。画面の端へ移動させると物陰からのぞくポーズに変わり、常駐させたまま邪魔になりにくい形になります。ラップトップを開くモーションもあり、ユーザーの入力に合わせて一緒に作業しているように見せ、カウンターの数字が増えていきます。放置報酬もあり、得たアイテムはカスタマイズに使われます。
常駐型アプリであることへの懸念に対しては、開発元が説明を出しています。カウンターは数字が加算されるだけで、入力内容の記録は行っておらず、SteamとUnityの公式SDK以外の通信も一切していないとしています。
本作を手がけるYinengjieは、台湾を拠点とするインディーデベロッパーです。Steamでのリリースは今回が初めてで、チームの規模は5人未満です。パブリッシャーを見つけられないままデモ版の公開に至りましたが、想定外の反響を受けて対応に追われている状況だと伝えられています。
この事例が示しているのは、デモ版の位置づけの変化です。かつてデモは製品版の販促物でしたが、いまは作品そのものの名刺として機能します。パブリッシャーが付いていない、実績のないチームの初作品であっても、最初の1週間で3万人規模の同時接続を集めることが起こりえます。逆に言えば、デモの完成度と第一印象が、そのまま事業側の判断材料になるということでもあります。
もう一つ読み取れるのは、準備の量です。注目を集めたのはカスタマイズの部品数と、複数キャラクターが交流するモーションの作り込みでした。デスクトップペットという枠組み自体は目新しくありませんが、選択肢の多さと細部の動きが差になっています。5人未満のチームが、デモの段階でそこまで積んでいたという点が、この結果の前提にあります。
同時に、反響に対応しきれていないという状況も記録しておく価値があります。小規模なチームで突然の注目を受けた場合、サポート、不具合対応、コミュニティ対応が一度に来ます。デモが当たった後に何が起きるかを、あらかじめ見積もっておく材料として参考になります。
出典: AUTOMATON
きょうのSteamきょうのSteam同時接続トップ5(2026年9月24日)
2026年9月24日朝のSteam同時接続トップ5は、1位『Counter-Strike 2』が約113万7000人、2位『Dota 2』が約70万7000人、3位『WARDOGS』が約28万人、4位『PUBG: BATTLEGROUNDS』が約19万7000人、5位『Valheim』が約19万6000人でした。
上位5本の合計は約252万人で、前日の約241万人から約11万人増えました。増加分のほぼすべてを『Counter-Strike 2』が占めています。同作は前日の約96万8000人から約113万7000人へ、17万人ほど伸びました。当日のピークは約145万2000人です。
残る4本はいずれも前日から減っています。『Dota 2』は約72万3000人から約70万7000人へ、『WARDOGS』は約30万1000人から約28万人へ、『PUBG: BATTLEGROUNDS』は約21万4000人から約19万7000人へ、『Valheim』は約20万8000人から約19万6000人へ推移しました。順位の入れ替わりはなく、前日と同じ並びです。
5連休が明けた平日朝という条件で、国内プレイヤーの比率が高いタイトルほど落ち着いた形です。『WARDOGS』は発売から日が浅く、ピークの約31万5000人から緩やかに下げていますが、依然として28万人規模を保っています。
出典: Steam公式API
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